機械設計技術者試験の科目の一つである、
応用・総合の中の、
転がり軸受についての、
オリジナル勉強資料を公開いたします。
機械設計技術者試験合格を目指される方の
お役に立てればと思っております。
機械設計技術者試験 3級
の受験を目指されている方は、
くろたか【機械設計】
のYouTubeチャンネルをご覧ください。
くろたかさんが丁寧に解説されてます。
チャンネル登録よろしくお願いします。
機械設計技術者試験 (3級) はこちら。
オリジナル勉強資料
スマホ閲覧用資料
転がり軸受
穴埋め問題の類似問題です。
太線・赤太線の部分を語句郡の
中から選択する出題内容です。
スキマ時間等で繰り返し読んで
覚えてもらえたらと思います。
次の文章は、転がり軸受について
述べたものである。
空欄に適切な語句を下記から選択せよ。
(空欄部は太字・赤太字と仮定します。)
(01)転がり軸受の特徴と種類
(a)転がり軸受は、一般的に軌道輪・転動体
・保持器から構成されており、
主として負荷する荷重の方向によって、
ラジアル軸受とスラスト軸受に区別され
さらに転動体の種類によって、
玉軸受ところ軸受に区別される。
参照:株式会社JTEKT 転がり軸受総合カタログ より
(b)起動摩擦が小さく動摩擦との差も小さい。
(c)国際的にも標準化が進んでおり、互換性
があり、交換使用が可能である。
(d)軸受まわりの構造を簡単にすることがで
き、保守・点検が容易である。
(e)スラスト軸受以外は、ラジアル荷重と
アキシアル荷重とを同時に受けることが
できる。
(f)高温度・低温度での使用が比較的に容易
である。
(g)取付剛性を高めるために、負のすきま
にして使用する。(与圧という)
さらに、転がり軸受は形式ごとにそれぞ
れ特徴を持っている。
代表的な転がり軸受の形式を次に示す。
・深溝玉軸受
・アンギュラ玉軸受
・円筒ころ軸受
・針状ころ軸受
・円すいころ軸受
・自動調心ころ軸受
・スラスト玉軸受
・スラストころ軸受
参照:NTN株式会社 転がり軸受総合カタログ より
(02)荷重と軸受形式
軸受の負荷能力を表す基本定格荷重と、
それから求められるアキシアル負荷能力とを
軸受形式に比較すれば、およそ下表になる。
従って、同一寸法系列の軸受を比較した場合
玉軸受に比べころ軸受の方が負荷能力は高く
衝撃荷重の加わる用途には有利である。
☆注意☆
つば付き円筒ころ軸受は、ある程度の
アキシアル負荷能力を持っている。
(03)定格荷重と寿命
(a)軸受の寿命
軸受は正常な条件で使用されていても、軌道
輪や転動体の転がり面は繰り返し、圧縮応力
を受けて、材料の疲れによるフレーキングが
発生し、使用に耐えられなくなる。
軸受寿命とはこのようなフレーキングが軌道
面や転動面に発生するまでの総回転数として
定義されている。
参照:株式会社JTEKT 転がり軸受総合カタログ より
この他に、
焼付き・摩耗・割れ・欠け・かじり・さび
などによっても使用できなくなるが、これら
は軸受の故障と称すべきもので寿命とは区別
され、軸受選定の誤り・取付不良・不適切な
潤滑・不完全な密封などが原因である。
(b)基本動定格荷重
転がり軸受の負荷能力を表す基本動定格荷重
とは、内輪を回転させ、外輪を制止させた条
件で、定格疲れ寿命が100万回(10⁶[rev.])に
なるような、方向と大きさとが変動しない
荷重をいう。
ラジアル軸受では、方向と大きさとが一定の
中心ラジアル荷重を採り、
スラスト軸受では、中心軸に一致した方向で
大きさが一定のアキシアル荷重を採る。
基本動定格荷重Cは、それぞれの軸受について
ラジアル荷重ではCr、
スラスト荷重ではCaとしてメーカーカタログ
軸受寸法表に記載されている。
(c)動等価荷重
軸受にラジアル荷重とアキシアル荷重の両方
が同時に働く場合に、これと同じ寿命を与え
るような軸受の中心に作用する仮想荷重を、
動等価荷重という。
ラジアル軸受では、純ラジアル荷重、
スラスト軸受では、純アキシアル荷重で表し
それぞれ、
動等価ラジアル荷重・動等価アキシアル荷重
という。
参照:株式会社JTEKT 転がり軸受総合カタログ より
(d)基本静定格荷重
転がり軸受が過大な荷重を受けたり、瞬間的
に大きな衝撃荷重を受けると、転動体と軌道
輪との間に、局部的な永久変形を生じる。
その変形量は、荷重が大きくなるに従って
大きくなり、ある限度を超えると、軸受の
円滑な回転を妨げるようになる。
基本静定格荷重とは、最大応力を受けている
転動体と軌道輪の接触部の中央において、
次の計算上の接触応力を生じさせるような
静荷重をいう。
自動調心玉軸受:4600 [MPa = N/mm²]
その他の玉軸受:4200 [MPa = N/mm²]
ころ軸受 :4000 [MPa = N/mm²]
上記の接触応力を受けている接触部において
転動体と軌道輪の永久変形量の和は、
軌道輪の直径のほぼ0.0001倍となる。
基本静定格荷重Coの値は、それぞれの軸受に
ついて、
ラジアル軸受ではCor、
スラスト軸受ではCoaとしてメーカーカタログ
軸受寸法表に記載されている。
(e)静等価荷重
静等価荷重とは、軸受にラジアル荷重とアキ
シアル荷重が同時に働いた場合に、最大荷重
を受ける転動体と軌道輪との接触部中央部に
生じる永久変形量と等価な永久変形量を与え
るような仮想荷重をいう。
ラジアル軸受では、純ラジアル荷重、
スラスト軸受では、中心上に作用する
純アキシアル荷重で表し
それぞれ、
静等価ラジアル荷重・静等価アキシアル荷重
という。
パソコン閲覧用資料(印刷用)
転がり軸受
私が過去に受験勉強した資料で
不足たくさんあると思います。
そこはご容赦いただければと。
それと、クセ字もすみません。
クセが強すぎて一部の同僚には
「シマ字」と言われてました。
関連リンク
関連記事
2級:機構学・機械要素設計
・軸受関係
・軸関係
1級:機械総合基礎
・チェーンコンベヤ
・リンク式俯仰(ふぎょう)装置
1級:産業機械
・コイル巻取り装置
1級:荷役・運搬機械
・ベルトコンベヤ
2級:応用・総合
・転がり軸受
・エアシリンダ
・移載機
・ベルトコンベヤ駆動プーリー
・貯水タンクのドレン蓋開閉部
・地震時荷重と台風時荷重
・チェーンコンベヤ
・リフター装置
・ロボットハンド
科目
・2級:機構学・機械要素設計
・2級:材料力学
・2級:機械力学
・2級:流体工学
・2級:熱工学
・2級:制御工学
・2級:応用・総合
・1級:機械総合基礎
・1級:産業機械
・1級:荷役・運搬機械
・1級:設計管理
・1級:小論文
・1&2級:環境経営&環境・安全
・1&2級:工業材料
・1&2級:工作法
・1&2級:機械製図
記事内キーワード
・応用・総合
・転がり軸受
・軌道輪
・転動体
・保持器
・アキシアル荷重
・ラジアル荷重
・ラジアル軸受
・ラジアル負荷能力
・スラスト荷重
・スラスト軸受
・スラスト負荷能力
・玉軸受
・ころ軸受
・起動摩擦
・動摩擦
・保守
・点検
・負のすきま
・深溝玉軸受
・アンギュラ玉軸受
・円筒ころ軸受
・針状ころ軸受
・円すいころ軸受
・自動調心ころ軸受
・スラスト玉軸受
・スラストころ軸受
・負荷能力
・基本定格荷重
・衝撃荷重
・定格荷重
・寿命
・軸受寿命
・フレーキング
・焼付き
・摩耗
・かじり
・故障
・基本動定格荷重
・定格疲れ寿命
・動等価荷重
・動等価アキシアル荷重
・動等価ラジアル荷重
・純ラジアル荷重
・純アキシアル荷重
・永久変形
・変形量
・基本静定格荷重
・静荷重
・静等価荷重
・静等価アキシアル荷重
・静等価ラジアル荷重
・仮想荷重
注意事項・お知らせ
著作権について
日本機械設計工業会様に著作権などの点で
ご相談させていただいた結果、
機械設計技術者試験の過去問題をベースに、
問題内の数値等を少し変えさせていただいた
類似のオリジナルな問題にしています。
過去問題そのままを掲載はしていません。
科目名称について
科目の名称は過去と現在とで多少違いが
ございますが、内容は概ね違いありません。
私のブログ内では過去の名称のままで
記載させていただくことをご了承ください。
まとめ
機械設計技術者試験は
とても難しい試験です。
試験合格のため以外にも、
日々の設計業務のためにも、
勉強することに意味ありです。
是非とも挑戦して欲しいです。
頑張ってくださいね!
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。