【機械設計技術者試験】 普通科文系出身で1級合格した勉強資料公開! | シマブロ@機械設計
機械設計資料/ 産業機械/ 産業機械とは を新規投稿しました。 (2024.02.02)

はめあい公差

試験勉強資料

機械設計技術者試験の科目の一つである、
機械製図の中の、
はめあい公差についての、
オリジナル勉強資料を公開いたします。

機械設計技術者試験合格を目指される方の
お役に立てればと思っております。

機械設計技術者試験 3級
の受験を目指されている方は、
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オリジナル勉強資料

スマホ閲覧用資料

はめあい公差

穴基準はめあいで、
穴φ60H7
上下の寸法許容差+0.030,0
の穴に、
軸φ60m6
上下の寸法許容差+0.030,+0.011
の軸が下図のようにはまっている。
次の設問に答えよ。

(01)
図にはめあい部の、
公差域クラス寸法許容差との寸法を
併記する寸法の記入方法を記入せよ。

(02)
次の文章の空欄を埋めて完成させよ。

(空欄部は太字赤太字と仮定します。)

上図のはめあいにおける
基準寸法60.000
穴の最大許容寸法60.030
穴の最小許容寸法60.000
寸法公差0.030である。
また、
軸の最大許容寸法60.030
軸の最小許容寸法60.011
寸法公差0.019である。
このはめあいの種類は、
中間ばめである。
最大しめしろ0.030
最小しめしろ0.011
最大すきま0.019である。

公差と許容差

ちなみに、
公差許容差の違いは、
公差
許容される誤差を含んだ寸法幅
(例) 10+0.5
許容差
公差で指定した寸法幅に、
方向指定を加えてより具体的に
示したもの

(例) 10+0.3/-0.2
基準寸法10に対して、
上方向に+0.3以内
下方向に-0.2以内しか、
誤差が許されない
ということです。

サイズ公差の指示例
角度サイズ公差の指示例
引用:株式会社ミスミ
   (meviyインフォメーション)
公差の
種類
内容JIS規格
寸法
公差
2点間の長さ、
直径、半径、
角の丸みや
面取り寸法が
対象
JIS B
0405
はめ
あい
公差
互いにはまりあう
関係にある穴径と
軸径の公差
(寸法許容差)
を記号で
あらわしたもの
JIS B
0401
幾何
公差
真円度や同軸度、
円筒度、平面度、
真直度など、
あるべき形状や
面に対しての公差
JIS B
0419
図面での公差の種類一覧

さらに、
公差の累積について
直列寸法記入法と、
並列寸法記入法とで、
違いを検証してみます。
結論を先に言いますと、
機能上重要な部位には
直接記入するべき
で、
足し算・引き算で
求めるような公差指示
はしてはいけません

ということです。

直列寸法記入法に
普通公差を表記した例
並列寸法記入法に
普通公差を表記した例
引用:株式会社ミスミ
   (meviyインフォメーション)

普通公差(一般公差)

ちなみにもう一つ、
普通公差とは、

一般公差とも呼ばれ、
あらかじめ決められた公差を
一覧で表記しておくで、
図面が煩雑になるのを防ぐ
ことができるものです。

等級記載例
精級JIS B 0405-f
中級JIS B 0405-m
粗級JIS B 0405-c
極粗級JIS B 0405-v
図面でのJIS普通公差の
書き方・指定例
基準寸法
の区分
精級
(f)
中級
(m)
粗級
(c)
極粗級
(v)
0.5以上
3以下
±0.05±0.1±0.2
3を超え
6以下
±0.05±0.1±0.3±0.5
6を超え
30以下
±0.1±0.2±0.5±1
30を超え
120以下
±0.15±0.3±0.8±1.5
120を超え
400以下
±0.2±0.5±1.2±2.5
400を超え
1000以下
±0.3±0.8±2±4
1000
を超え
2000以下
±0.5±1.2±3±6
2000
を超え
4000以下
±2±4±8
普通公差表|長さ(単位:mm)
基準寸法
の区分
精級
(f)
中級
(m)
粗級
(c)
極粗級
(v)
0.5以上
3以下
±0.2±0.2±0.4±0.4
3を超え
6以下
±0.5±0.5±1±1
6を超え
30以下
±1±1±2±2
普通公差表|
面取り、角の丸み(単位:mm)
基準寸法
の区分
精級
(f)
中級
(m)
粗級
(c)

粗級
(v)
10以下 ±1° ±1° ±1°
30’
±3°
10を超え
50以下
±30′±30′±1°±2°
50を超え
120以下
±20′±20′±30′±1°
120を超え
400以下
±10′±10′±15′±30′
400を超
えるもの
±5′±5′±10′±20′
普通公差表|
角度(単位:度数法
(°度、′分、″秒))
(対象角度の短い方の辺の長さ)

公差用語の新旧対比表

寸法公差の用語に関する新旧対比表

新規格 JIS B 0401-1:2016
(2016年3月~)

旧規格 JIS B 0401-1:1998
(~2016年3月)
製品の幾何特性仕様(GPS)
ー長さに関わる
サイズ公差のISOコード式

第1部:
サイズ公差、サイズ差、
はめあいの基礎

寸法公差及び
はめあいの方式

第1部:
公差、寸法差、
はめあいの基礎

箇条番号 用語 箇条番号 用語
3.1.1 サイズ形体
3.1.2 図示
外殻携帯
3.2.1 図示サイズ 4.3.1 基準寸法
3.2.2 当てはめ
サイズ
4.3.2 実寸法
3.2.3 許容限界
サイズ
4.3.3 許容限界
寸法
3.2.3.1 上の許容
サイズ
4.3.3.1 最大許容
寸法
3.2.3.2 下の許容
サイズ
4.3.3.2 最小許容
寸法
3.2.4 サイズ差 4.6 寸法差
3.2.5.1 上の許容差 4.6.1.1 上の
寸法許容差
3.2.5.2 下の許容差 4.6.1.2 下の
寸法許容差
3.2.6 基礎となる
許容差
4.6.2 基礎となる
寸法許容差
3.2.7 Δ値
3.2.8 サイズ公差 4.7 寸法公差
3.2.8.1 サイズ公差
許容限界
3.2.8.2 基本サイズ
公差
4.7.1 基本公差
3.2.8.3 基本サイズ
公差等級
4.7.2 公差等級
3.2.8.4 サイズ許容
区間
4.7.3 公差域
3.2.8.5 公差クラス 4.7.4 公差域
クラス
3.3.4 はめあい幅 4.10.4 はめあい
の変動量
3.4.1

ISO
はめあい
方式

4.11 はめあい
方式
3.4.1.1 穴基準
はめあい
方式
4.11.2 穴基準
はめあい
3.4.1.2 軸基準
はめあい
方式
4.11.1 軸基礎
はめあい
4.3.2.1 局部実寸法
4.4 寸法公差
方式
4.5 基準線
4.7.5 公差単位

更に、
言葉の変更は下記の通りです。

(長さ、角度、位置の総称として)寸法
寸法
(長さや直径を意味する)寸法
サイズ
(位置や距離を意味する)寸法
位置
(長さや直径の)寸法公差
サイズ公差(長さや直径に限る)
(位置の)寸法公差
幾何公差(位置に限る)

はめあいの種類

すき間ばめしまりばめ中間ばめ
軸が穴より細くてすき間が
あるはめあいのことです。
軸は穴から簡単に分解する
ことができます。
軸が穴より太くて強く圧入
するはめあいのことです。
一度圧入したらほぼ抜けない
ので、軸を穴から外したい時
はどちらかの部品を破壊しな
いと分解できません。
すき間ばめとしまりばめの
中間的なはめあいのことです。
部品を破壊することなく分解
可能ですが、圧入の程度によ
っては、ハンマーで軽く叩く
必要があります。
・軸を回転させたい
・加工コストや組立コストを
安くした
・人の手で頻繁に軸を穴から
取り外したい
H8/f7
可動
H7/g6
きつめ , 可動
・軸と穴を一体化させたい
・衝撃を受けても軸が穴か
ら外れないように強固な
固定をしたい
H7/p6
圧入レベル
・軸の高精度な位置決めを
したい
・位置の再現性が必要な
交換部品
・ノックピンを固定したい
H7/js6
ゆるめ
H7/m6
きつめ
はめあいの種類

はめあいの方式

穴基準はめあい方式軸基準はめあい方式
穴を基準とした
はめあいのことです。

特にH穴を基準として
軸を選び、
すき間やしめしろを
与えるはめあいを
H穴基準と言います。
軸を基準とした
はめあいのことです。

特にh軸を基準とし
穴を選び、
すき間やしめしろを
与えるはめあいを
h軸基準と言います。
公差域の記号
⇒大文字+公差等級の数字
(例) H7
公差域の記号
⇒小文字+公差等級の数字
(例) g8、h7
穴を表す記号
すきまばめ:B,C,E,F,G,H
中間ばめ:JS,K,M,N,P
しまりばめ:R,S,T,U,X
軸を表す記号
すきまばめ:b,c,e,f,g,h
中間ばめ:js,k,m,n
しまりばめ:p,r,s,t,u,x
はめあいの方式

公差域クラスと公差等級

公差域クラス
(は大文字)
公差域クラス
(は小文字)
公差等級
A~ZC
(28種)
a~zc
(28種)
IT1~IT18
(18種)
狙い値より

A :最も
  大きい穴

ZC:最も
  小さい穴
狙い値より

a :最も
  細い軸

zc:最も
  太い軸
2016年に
IT01,IT0
追加され、
本来20種の
公差等級が
規定されて
いますが、
上記18種が
一般的に用
いられます。

これを
基本公差
いいます。
公差域クラスと公差等級

IT公差

公差はその範囲が狭いほど、
精度が高く厳しいものになります。

例えば同じ公差の0.010でも、
φ10φ10.01 (0.1%)
φ100φ100.01 (0.01%) となり、
φ100の方が高精度になります。
その為、基準寸法ごとに求める
公差の制度等級を標準化したものを
IT公差(Iso Tolerance)と呼びます。

3150mmまでの
基準寸法に対する公差等級IT
(JISB0401-1 1998)
基本サイズ
公差等級
種類
IT1級
IT4級 (精)
ゲージ類
IT5級
IT10級 (中間)
はめあわせる部分
IT11級
IT18級 (粗)
はめあわされない部分
公差等級の概略分類

産業機械の分野では一般的に
IT5級~IT11級がよく使われ、
上記の分類から、
はめあい」の観点で言えば、
IT5級~IT10級を確認すれば、

だいたい当てはまると思います。
特にIT6級・IT7級は頻繁に使用
されると思います。

H6 ~ H7h6 ~ h7

はめあい選択の基礎
JIS使い方シリーズ製図マニュアル
(精度編)より抜粋
引用:株式会社ミスミ
   (meviyインフォメーション)

パソコン閲覧用資料(印刷用)

はめあい公差

私が過去に受験勉強した資料で
不足たくさんあると思います。
そこはご容赦いただければと。
それと、クセ字もすみません。
クセが強すぎて一部の同僚には
シマ字」と言われてました。

関連リンク

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2級:機構学・機械要素設計
軸関係
1&2級:工作法
切削熱と加工精度

1&2級:機械製図

はめあい公差
幾何公差
表面性状(仕上げ記号)
歯車製図
溶接記号

科目

2級:機構学・機械要素設計
2級:材料力学
2級:機械力学
2級:流体工学
2級:熱工学
2級:制御工学
2級:応用・総合
1級:機械総合基礎
1級:産業機械
1級:荷役・運搬機械
1級:設計管理
1級:小論文
1&2級:環境経営&環境・安全
1&2級:工業材料
1&2級:工作法
1&2級:機械製図

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・中間ばめ
・しまりばめ
・しめしろ
・最大しめしろ
・最大すきま
・最小しめしろ
・最小すきま

注意事項・お知らせ

著作権について

日本機械設計工業会様に著作権などの点で
ご相談させていただいた結果、
機械設計技術者試験の過去問題をベースに、
問題内の数値等を少し変えさせていただいた
類似のオリジナルな問題にしています。
過去問題そのままを掲載はしていません。

科目名称について

科目の名称は過去と現在とで多少違いが
ございますが、内容は概ね違いありません。
私のブログ内では過去の名称のまま
記載させていただくことをご了承ください。

まとめ

機械設計技術者試験は
とても難しい試験です。
試験合格のため以外にも、
日々の設計業務のためにも、
勉強することに意味ありです。
是非とも挑戦して欲しいです。
頑張ってくださいね!

最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

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