【機械設計技術者試験】 普通科文系出身で1級合格した勉強資料公開! | シマブロ@機械設計
機械設計資料/ 産業機械 を新規投稿しました。 (2024.01.31)

CAD/CAMの概念

試験勉強資料

機械設計技術者試験の科目の一つである、
設計管理の中の、
CAD/CAMの概念についての、
オリジナル勉強資料を公開いたします。

機械設計技術者試験合格を目指される方の
お役に立てればと思っております。

機械設計技術者試験 3級
の受験を目指されている方は、
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CAD/CAMの概念

穴埋め問題の類似問題です。
太線赤太線の部分を語句郡の
中から選択する出題内容です。
スキマ時間等で繰り返し読んで
覚えてもらえたらと思います。

CAD/CAMの概念に関する次の文章と図の
空欄を埋める適切な語句を下記から選択
せよ。

(空欄部は太字赤太字と仮定します。)

①CAMの定義

設計結果の出力は、全てCAMの範疇であり、
CAMはコンピュータ支援製造であるから、
製造に関わる全てを支援する広い範囲の
システムであると考えられる。

しかし現在CAD/CAMシステムといったときは
CAD/NCといってもよいほど、CAMの機能は
NC(数値制御)工作機械の加工データを出力
することを示す。

CADからCAMへのデータの流れを、もう少し
詳細に説明したものが図1である。

図1:CADからCAMへのデータの流れ

これは言葉を換えれば機械加工における技術
情報
の流れであるともいえる。
CAMは本来的にCADによる製品設計後の生産
設計
の部分を受け持つ。

生産設計は製品の構造や形、さらにはコスト
を考えて大まかな加工法案を練る工程設計と
特定のNC工作機械による加工が決定した後、
この機械を正常に動かすためのデータを準備
するというCAMの任務は後者の作業設計の部
分である。

工程設計の部分は不定形でパターン化しにく
いこともあって、その自動化(CAPPCom
puter Aided Process Planning
)は遅れる。
従って、CAD/CAMといっても、現状ではCAD
とCAMの間に人手が入っているのである。

②自動プログラミングからCAMへ

CADとCAMがリンクしたのは最近のことで、
CADとCAMは独自の道で進展してきた。
NC工作機械が世界で初めてMITで開発された
時に、同時にこの機械を運転するためのNCデ
ータ
を作成する専用のコンピュータが開発さ
れた。

これが有名なAPT(Automatically Programmed
Tools
)と呼ばれる自動プログラミングシステ
ムであった。もちろん当時はCAMという言葉
はなかった。
自動プログラミングシステムによる処理プロ
セスを図2に示す。

図2:自動プログラミングシステムの処理フロー

作業者は加工する部品の図面を参照にして、
APT言語を使ってパートプログラムを作成し
これをコンピュータに入力すると、後はコン
ピュータがパッチ処理で内部計算し、結果と
してのNCプログラムを自動的に出力してくれ
る。従って人間が行うのはパートプログラム
の作成であるが、これは図形定義工具連動
定義
から構成されている。

コンピュータはこれから工具の経路を計算し
て、CL(Cutter Location)データを作成する。
ここまでの処理は図面にある部品形状に沿っ
て工具を動かせば部品が加工できるという前
提での、完全に幾何学的計算処理であり、
メインプロセッサというソフトウェアがその
任に当たる。

CLデータができると、これをポストプロセッ
によって、対象となるNC工作機械の制御装
置に合ったデータに変換してNCプログラムが
完成する。
メインプロセッサは機械が代わっても共通の
処理で済むが、ポストプロセッサは一般的に
工作機械(制御装置)ごとに用意されなければ
ならない。

③生産制御システム(狭義のCAM)の概要

CADやCAMは実際の製造に関する「情報」を
コンピュータを活用して生成するシステムで
あった。これに対してコンピュータの生産へ
の活用に関して、最も早くから行われている
ものがコンピュータによる「制御」技術の活
用(いわゆる自動化)である。
その代表がNC工作機械である。

NC(数値制御)技術は、自動化ツールとして工
作機械に限らず、産業ロボットプレス機・
射出成型機械など多くの産業機械に活用され
ている。
NC技術が多用される理由は、現在の
生産がかつてのような同じものを大量生産す
るのではなく、ユーザーニーズに個々に対応
するような多品種の製品を少量または中量生
産する時代になっているからである。

つまり、NC制御では製品の形状や寸法が変わ
ってもプログラムを変更すれば、これに対応
するように機械自体の動作も変更できるよう
フレキシビリティ(柔軟性)を有している。
従来ハードウェアで変更しなければならなか
ったことが、ソフトウェアで対応できるよう
になったわけである。

図3:製品特性に適合する様々な加工システム

そこで加工する製品特性によって機械加工の
様々なシステム分類したものを図3に示す。
左上になるほど多品種少量生産となり、
右下に位置するほど少品種多量生産となる。

極端にいえば一つの部品しか作らないのであ
れば、手作業の汎用工作機械(従来からある
旋盤フライス盤など)を使って作業者が図面
を見ながら一つずつ作る方が経済的である。

少し加工の量が増えて生産性を向上させると
いうことで採用されるが、汎用工作機械をNC
化した汎用NC工作機械(NC旋盤NCフライス
など)である。
さらに生産を上げるのが、
マシニングセンター(MC)やターニングセンタ
(TC)の、いわゆる多工程集約機械(一つの機
械でいくつかの加工工程を処理できる工作機
械)である。

MCNCフライス盤をベースに、ATC(工具自
動交換装置
)を付加して、面削りフライス加
穴明け加工中ぐり加工など様々な工程
を1台の機械で処理できる。
TCNC旋盤をベースに、旋削加工だけでなく
フライス加工なども可能にした複合機械であ
る。

一方、量的に多い部品加工では、従来からの
トランスファマシンが使われている。
これはコンベヤ上に部品をセットし、ワーク
ステーション(WS)に来たら止まり、そこにセ
ットした専用機(ある決められた加工のみを行
う)で高速に加工を行い、終了後にコンベヤで
次のWSに送られて異なる加工が施されるとい
うしくみである。

今日注目されている加工方法は、
以上の加工機械の中間的な位置付けの、
FMS(Flexible Manufacturing System)と呼ば
れているものである。
FMSは3つの形態に分類される。
生産性の順番でいえば、
FTL(Flexible Transfer Line)
FMS(典型タイプ)
FMC(Flexible Manufacturing Cell)

である。

FTLはトランスファライン同様にコンベヤで
加工物は加工物は流れていくものの、WSでの
加工機械は専用機の代わりにNC工作機械を配
したシステムである。
加工の順番は変更できないものの、形状や位
置が異なる加工内容に対してはフレキシブル
に対応できる。

従って、シリーズ製品などの加工で、ある程
度量がまとまるものに対して有効なシステム
化の形態である。

FMCマシニングセンターターニングセン
ター
に、加工物を工作機械内に送り込むため
パレットパレットチェンジャーや、
部品供給搬出ロボット、さらには、
パレットマガジン等を配置して、これらの
セル(細胞)システム内である定時間のフレキ
シブルな搬送機
(搬送経路や順番を容易に変更
可能)であるAGV(Automated Guided Vehicle
無人搬送車)でつないだシステムである。

このような大がかりなシステムは、わが国の
中でもそれほど多くはない。

高度な生産制御システムはFMSという形態で
実現されているのが、これらの対象とする製
品の特徴は中種中量製品ということである。
コンピュータを活用しようとする対象は、
単品加工では有効ではなく、中種中量に限定
されるといってよい。

従って、これらを有効活用するためには、準
備として加工寸法をそろえることか、それが
できなければ形状だけでもそろえるか、いわ
ゆる部品標準化による見掛け上の生産量を増
やす努力が不可欠である。
これが部品中心生産(POPSParts Oriented
Production System
)の思想である。

図4:パレットプール形FMC
図5:ロボット形FMC(ロボット前面配置形)

④総合的生産システムの実現に向けて

生産の中で利用されているコンピュータシス
テムは、大きくは以下の3つである。
CAD/CAMシステム情報システムとしての
生産管理システム情報システムとしての
生産制御システム制御システムとしての

これら3つのシステムはそれぞれ個別に導入
され運用されてきたが、今後は図6のように
コンピュータにより統合化されたシステムと
して発展していく。

図6:コンピュータにて統合化された生産システム

パソコン閲覧用資料(印刷用)

CAD/CAMの概念

私が過去に受験勉強した資料で
不足たくさんあると思います。
そこはご容赦いただければと。
それと、クセ字もすみません。
クセが強すぎて一部の同僚には
シマ字」と言われてました。

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CAD/CAMの概念

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ございますが、内容は概ね違いありません。
私のブログ内では過去の名称のまま
記載させていただくことをご了承ください。

まとめ

機械設計技術者試験は
とても難しい試験です。
試験合格のため以外にも、
日々の設計業務のためにも、
勉強することに意味ありです。
是非とも挑戦して欲しいです。
頑張ってくださいね!

最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

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