【機械設計技術者試験】 普通科文系出身で1級合格した勉強資料公開! | シマブロ@機械設計
機械設計資料/ 産業機械/ 産業機械とは を新規投稿しました。 (2024.02.02)

六角ボルトの製作

試験勉強資料

機械設計技術者試験の科目の一つである、
工業材料の中の、
六角ボルトの製作についての、
オリジナル勉強資料を公開いたします。

機械設計技術者試験合格を目指される方の
お役に立てればと思っております。

機械設計技術者試験 3級
の受験を目指されている方は、
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オリジナル勉強資料

スマホ閲覧用資料

六角ボルトの製作

六角ボルトの製作に関する各設問に
該当するものを選択せよ。
製作するボルトの主な仕様と加工工程は
下記の通りとする。

強度区分10.9
呼び径-長さM10-100L
加工工程の概略
  材料切断(シャーリング)
   ↓
  ヘッダー加工(冷間)
   ↓
  ねじ形成(転造)
   ↓
  脱脂洗浄
   ↓
  焼入れ焼き戻し
   ↓
  酸洗い
   ↓
  めっき

(正解は赤太字とします。)

①このボルトの最小引張強さはどれか。
 (01) 1040[MPa=N/mm²] 
 (02) 940[MPa=N/mm²]
 (03) 840[MPa=N/mm²]
 (04) 740[MPa=N/mm²]

強度
区分

3.6 4.6 4.8 5.6 5.8 6.8 8.8 9.8 10.9 12.9
d≦16 d≧16
呼び
引張
強さ
N/
mm2
300 400 500 600 800 900 1000 1200
最小
引張
強さ

N/
mm2
330 400 420 500 520 600 800 830 900 1040 1220

②このボルトに設定すべき焼入れ焼き戻し
 後の硬さ範囲はどれか。
 (01) 21~30[HRC]
 (02) 31~40[HRC]
 (03) 41~50[HRC]
 (04) 51~60[HRC]
    焼入れ焼き戻しにより、
    30[HRC]以上の硬さが得られます。

③このボルトの材質として最も適した鋼種は
 どれか。
 (01) SS400
 (02) S15C
 (03) SUS304
 (04) SCM435

強度区分材質
3.6普通鋼、炭素鋼、SWCHなど
4.6普通鋼、炭素鋼、SS400、S20C
4.8炭素鋼、普通鋼SS400相当、
SWRCH6R、SWRCH材
5.6炭素鋼、S45C、S25Cなど
5.8炭素鋼
6.8炭素鋼、S45C、SCM432
8.8炭素鋼
(ただし焼入れ焼戻しや合金元素で強化)、
S45C、熱処理で強化したSWRCH38Kなど
9.8炭素鋼
(ただし焼入れ焼戻しや合金元素で強化)、
SNB7、SCM435、
10.9合金鋼、SCM435、SCM440
12.9合金鋼、SCM435
ボルトの強度区分と材質の関係

④このボルトに最も適した材料の種類は
 どれか。
 (01) 完全焼きなまし材
 (02) 焼ならし材
 (03) 調質材
 (04) 球状化焼きなまし材
    冷間でヘッダー加工するためです。

ちなみに、
球状化焼きなましとは、
機械構造用鋼への役割り
としては、
被塑性加工性靭性
向上させることです。

冷間でヘッダー加工を行うボルト
冷間鍛造などを行う構造部品
などには必然的に
球状化焼きなまし材
使用されます。

ちなみにもう一つ、
ヘッダー加工とは、
冷間圧造加工のことです。
冷間とは常温のことです。
パンチダイスの組み合わ
せで製品をつくります。

ボルトナットリベット
段付きピンパイプなどを
製作できます。
ボルトを製造するのに
最も一般的なヘッダー加工は
ダブルヘッダーです。
二段打ちヘッダーともいいます。
やや複雑なものは、
多段式トランスファーヘッダー
ダブルヘッダー成形ブランク
などもありますが、
低製造コストの要望が高まり
2ダイ3ブローヘッダー
開発されました。

その名の通り、
2個のダイスと3個のパンチの
組み合わせで製造します。

⑤このボルトに最も適した焼入れ温度範囲は
 どれか。
 (01) 610~670[℃]
 (02) 680~740[℃]
 (03) 750~810[℃]
 (04) 820~880[℃]
    SCM435の焼入れ温度は
    約850℃です。

⑥焼入れ後の金属組織はどれか。
 (01) マルテンサイト
 (02) ソルバイト
 (03) フェライト
 (04) パーライト

⑦このボルトに最も適した焼き戻し温度は
 どれか。
 (01) 201~300[℃]
 (02) 301~400[℃]
 (03) 401~500[℃]
 (04) 501~600[℃]

焼入れ焼き戻し
830~880[℃]
油冷
530~630[℃]
空冷
  JIS規定のSCM435
(クロムモリブデン鋼)
  熱処理条件

⑧焼き戻し後の金属組織はどれか。
 (01) マルテンサイト
 (02) ソルバイト
 (03) フェライト
 (04) パーライト

ちなみに、
ソルバイトとは、
マルテンサイト
約500~650[℃]で
焼き戻しすることで
得られる、微細な
セメンタイト
フェライト
混合組織のことです。

トールスタイトよりも
更に凝集した組織で、
柔らかくショックに
強い為、靭性が求め
られる機械要素に
多用されています。

⑨ネジ部の疲れ強さを向上させるため
 有効な手段はどれか。
 (01) 熱間鍛造を採用する
 (02) 熱処理時に表面脱炭させる
 (03) 熱処理後に黒色皮膜処理を行う
 (04) 熱処理後に転造する
    調質後に転造することによって
    疲れ強さが向上します。

ちなみに、
転造加工とは、
雄ねじの加工用に
開発された加工法です。
ねじの生産には欠かせない
加工法です。

またギヤの加工にも
広く用いられています。
転造盤という加工装置を
使い、転造ダイスの種類
や加工法によって、
数種類に分類されます。
代表的なものとしては、
平面ダイス転造方式
丸ダイス転造方式
プラネタリ転造方式
があります。

転造に適した材料特性は
伸び率5%以上
張力最高1700N/mm²まで
HRC20以下 の、
鉄・アルミ・真鍮・
ステンレスなどです。

転造のメリット
・工具の長寿命
・切削加工より精密な仕上げ
・生産性が高い
・強度が高い
・環境にやさしい
転造のデメリット
・設備費用が高額
・少量加工や試作に不向き
などがあげられます。



パソコン閲覧用資料(印刷用)

六角ボルトの製作

私が過去に受験勉強した資料で
不足たくさんあると思います。
そこはご容赦いただければと。
それと、クセ字もすみません。
クセが強すぎて一部の同僚には
シマ字」と言われてました。

関連リンク

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2級:機構学・機械要素設計
ねじ・ボルト関係

1&2級:工業材料

表面硬化法
加工硬化
金属の腐食
ステンレス鋼
工具材料
六角ボルトの製作

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2級:機構学・機械要素設計
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注意事項・お知らせ

著作権について

日本機械設計工業会様に著作権などの点で
ご相談させていただいた結果、
機械設計技術者試験の過去問題をベースに、
問題内の数値等を少し変えさせていただいた
類似のオリジナルな問題にしています。
過去問題そのままを掲載はしていません。

科目名称について

科目の名称は過去と現在とで多少違いが
ございますが、内容は概ね違いありません。
私のブログ内では過去の名称のまま
記載させていただくことをご了承ください。

まとめ

機械設計技術者試験は
とても難しい試験です。
試験合格のため以外にも、
日々の設計業務のためにも、
勉強することに意味ありです。
是非とも挑戦して欲しいです。
頑張ってくださいね!

最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

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