機械設計技術者試験の科目の一つである、
設計管理の中の、
リサイクル設計の流れについての、
オリジナル勉強資料を公開いたします。
機械設計技術者試験合格を目指される方の
お役に立てればと思っております。
機械設計技術者試験 3級
の受験を目指されている方は、
くろたか【機械設計】
のYouTubeチャンネルをご覧ください。
くろたかさんが丁寧に解説されてます。
チャンネル登録よろしくお願いします。
機械設計技術者試験 (3級) はこちら。
オリジナル勉強資料
スマホ閲覧用資料
リサイクル設計の流れ
もの作りに対して、環境分野からの要望が多
くなったのは、1992年のブラジル、リオデジ
ャネイロで行われた国際連合による第一回地
球サミットからで、もの作りに直接かかわる
DFE(Design For Environment)と呼ばれる
思想が普及しました。
1994年にはOECD(Organization for Economic
Cooperation and Development:経済協力開
発機構)が、EPR(Exteded Producer Responsi
bility:拡大生産者責任)の理念を提唱され、
とりわけ製品を設計製造する生産者への要求
が大きくなりました。
DFEはISOの公式用語で、JISでは環境適合設計
や環境配慮設計などがよく使われています。
欧州ではECD(Eco Conscious Design)という
言葉をよく使用されています。
DFEの範囲は広く、易分離分解性設計である
DFD(Design For Disassembly)や、省エネ設計
・減容化設計・包装設計・LCA(Life Cycle As
sessment:ライフサイクルアセスメント)の
実施も含まれており、リサイクルのための破
壊や切断なども含まれています。
分離分解した後に、
元通りの製品に復元する必要がある、
DFM(Design For Maintenance:保守容易設計)
DFS(Design For Serviceability:修復容易設計)
とは大きく異なります。
3R法(3R政策):資源有効利用促進法で指定製
品に製品アセスメントが義務付けられている
電気電子・自動車産業をはじめとする日本の
組立産業ではDFEが進んでいます。
家電リサイクル法によって、家電製品を生産
者の手元でリサイクルすることが義務付けら
れたことが大きな波及要因となっています。
ちなみに3Rとは、
Reduce:リデュース(減らす)
Reuse:リユース(繰り返し使う)
Recycle:リサイクル(再資源化する)
の3つの頭文字をとった言葉です。
Reduce
製品を作る時に使う資源や廃棄物
の量を少なくすることです。
Reuse
使用済みの製品やその部品を廃棄
しないで繰り返し使うことです。
Recycle
廃棄物などを原材料やエネルギー
源として有効利用することです。
とはいえ、規制と制限の面が強いこの状況で
設計者の負担ばかりが増えて、もの作りの自
由な発想や新規技術の導入を阻害する懸念も
あります。
環境に配慮しながら品質や新技術を犠牲しな
いでDFEを設計開発でどう取り入れていくか
次のようなことを実例として紹介します。
材質表示
既に実施されているプラスチックの材質表示
に加えて、新規素材やレアメタルについても
材質表示していきます。
分離分解方法の表示
スポット溶接や異種材料の一体成型に変わり
ネジ固定やはめ込み式構造が再び見直されて
きています。
インサート成形など、プラスチック部品に金
属あるいは材質の異なる素材が組み込まれて
いることを表示していきます。
ちなみに、
インサート成形とは、
射出成形金型内に金属などの
インサート部品をあらかじめ
セットしておいて一体成形する
成形方法の一つです。
大きく、
金属インサート
フィルムインサート
樹脂インサート
の3つがあります。
金属インサートの部品としては
ナット・ボルト・ベアリング・
丸棒部品・板金部品・その他、
いろいろなものが可能です。
ちなみにもう一つ、
二色成形というものもあります。
二色成形専用機を使用して、
異なる色や材質の樹脂を組み合わ
せて一体成形する方法です。
二色成形は、
金型コストが高いが、
成形の品質レベルは高く、
成形品単価は下げられる。
インサート成形は、
金型コストは安いが、
成形の品質はやや落ち、
成形品単価も上がる。
どちらも組立コストは
下げることができますが、
一長一短があります。
単一素材(材質)まで分解できる構成になって
いることが理想で、部品点数を減らした構造
的な一体成型形状にすることによって、部品
点数の削減と組立性・分解性の向上を実現し
ていきたいものです。
また、プラスチック材料をできるだけ統一し
て、リサイクルの際の仕分けが容易になるよ
うにしたいものです。
ですが見た目で判別するのは難しいので、
材料表示は必要です。
また、筐体に塗装していない方がリサイクル
は容易になりますので、筐体表面に細かな凸
凹を施すシボ加工を採用することで、見た目
の向上にもなり、リサイクルも容易な製品と
なります。
ちなみに、
シボ加工とは、
プラスチックや金属などを成形・
プレス加工する際に金型の表面に
細かな凹凸をつけて転写する加工
のことをいいます。
模様のことをシボといい、
「シボつけ」・「シボをつける」と
現場ではいいます。
金型表面をシボ加工する方法は、
エッチングによる化学処理・
ザンドブラスト・
鏡面仕上げしない研磨処理・
レーザー・鍛造・プレス加工
などいろいろあります。
パソコン閲覧用資料(印刷用)
リサイクル設計の流れ
私が過去に受験勉強した資料で
不足たくさんあると思います。
そこはご容赦いただければと。
それと、クセ字もすみません。
クセが強すぎて一部の同僚には
「シマ字」と言われてました。
関連リンク
関連記事
1&2級:環境経営&環境・安全
・環境配慮関係
1級:設計管理
・計者の時間生産性
・設計効率化の推進
・設計に関する一般的知識
・3D-CAD/Virtual Prototyping
・Concurrent engineering
・PDM(製品情報管理)
・リサイクル設計の流れ
・CAD-systemでの処理プロセス
・設計業務とCAD
・CAD/CAMの概念
科目
・2級:機構学・機械要素設計
・2級:材料力学
・2級:機械力学
・2級:流体工学
・2級:熱工学
・2級:制御工学
・2級:応用・総合
・1級:機械総合基礎
・1級:産業機械
・1級:荷役・運搬機械
・1級:設計管理
・1級:小論文
・1&2級:環境経営&環境・安全
・1&2級:工業材料
・1&2級:工作法
・1&2級:機械製図
記事内キーワード
・設計管理
・設計
・管理
・リサイクル
・リサイクル設計
・コンセプト
・エネルギー効率
・製造エネルギー
・輸送エネルギー
・再使用
・再利用
・メンテナンス
・廃棄物
・固体廃棄物
・液体廃棄物
・騒音
・振動
・臭気
・大気汚染
・水質汚染
・地球温暖化
注意事項・お知らせ
著作権について
日本機械設計工業会様に著作権などの点で
ご相談させていただいた結果、
機械設計技術者試験の過去問題をベースに、
問題内の数値等を少し変えさせていただいた
類似のオリジナルな問題にしています。
過去問題そのままを掲載はしていません。
科目名称について
科目の名称は過去と現在とで多少違いが
ございますが、内容は概ね違いありません。
私のブログ内では過去の名称のままで
記載させていただくことをご了承ください。
まとめ
機械設計技術者試験は
とても難しい試験です。
試験合格のため以外にも、
日々の設計業務のためにも、
勉強することに意味ありです。
是非とも挑戦して欲しいです。
頑張ってくださいね!
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。