機械設計技術者試験の科目の一つである、
機械製図の中の、
歯車製図についての、
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機械設計技術者試験 3級
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歯車製図
(01)
はすば歯車の立体図を下に示す。
この歯車の主投影図の図示を、
A:断面しない面
B:片側断面図
C:全断面図
を下図に示した。
「ねじれ方向」も立体図より見て、
正しい図示を選択せよ。
(02)
下図にかみあう一対の各種歯車の
簡略図を示した。
「歯すじ方向」を図示して、
各歯車の「ねじれ方向」を記入せよ。
軸方向を水平にした時、
歯すじが下がってる方がねじれ方向です。
歯車の種類
歯車軸の位置関係による分類
2軸の 相対 位置 |
歯車の種類 | 効率 [%] |
平行軸 |
平歯車 |
98.0 ~ 99.5 |
平行軸 |
ラック |
98.0 ~ 99.5 |
平行軸 |
内歯車 |
98.0 ~ 99.5 |
平行軸 |
はすば歯車 |
98.0 ~ 99.5 |
平行軸 | はすばラック ヘリカルラック はすば歯車とかみ合う、 ねじれをもった 直線歯形の歯車です。 はすば歯車の ピッチ円筒半径が 無限大∞になった歯車です。 |
98.0 ~ 99.5 |
平行軸 |
やまば歯車 |
98.0 ~ 99.5 |
交差軸 |
すぐばかさ歯車 |
98.0 ~ 99.0 |
交差軸 |
まがりばかさ歯車 |
98.0 ~ 99.0 |
交差軸 | ゼロールかさ歯車 ねじれ角がおおむね零であ るまがりばかさ歯車です。 すぐばかさ歯車と まがりばかさ歯車の特徴を 合わせ持った独特なかさ歯車で、 歯に加わる力は、 おおむねすぐばかさ歯車と同等です。 |
98.0 ~ 99.0 |
食い 違い軸 |
ねじ歯車 |
70.0 ~ 95.0 |
食い 違い軸 |
ハイポイドギヤ |
70.0 ~ 95.0 |
食い 違い軸 |
円筒ウォームギヤ |
30.0 ~ 90.0 |
歯車の製作方法による分類
製作方法 | 内容 |
切削歯車 | 歯が切削加工された歯車です。 平歯車やはすば歯車では, ホブ盤,ギヤシェーパ, ギヤプレーナなどが用いられます。 大量生産の場合には, ブローチにより引き抜き切削 されることがあります。 かさ歯車では専用の かさ歯車切り盤や稀にホブ盤が 用いられます。 |
シェービ ング歯車 | 歯面から微量の仕上げ代を削り取る 加工方法により加工された歯車です。 専用機械とシェービングカッタが 用いられます。 |
研削歯車 | 歯車研削盤などにより 歯面を研削した歯車です。 創成研削法と成形研削法とに 区分されますが,どちらも砥石 (ダイヤモンド砥石やCBN砥石など を含む)による研削仕上げです。 精度の良い歯車が加工されますが, そのためには歯車のブランクも 高精度に仕上げる必要があります。 近年では電解研削による歯車も 開発されています。 |
転造歯車 | 歯車の歯(山)を盛り上げる塑性加工 (転造加工)による歯車です。 2つの転造ロールにブランクを挟み, 両側から加圧して歯(山)を盛り上げ ています。 |
射出成形 歯車 | 融解したプラスチック材料を型に 流し込み,一定の時間加圧して 成形した歯車です。 |
焼結歯車 | 金属粉末を型に入れ圧縮した後, 焼き固める方法により製作された 歯車です。 1度焼結後,再圧縮,再焼結される こともあります。 また焼結後,油の含浸,熱処理, 表面処理が行われる場合があります。 主に大量生産で製作されます。 |
歯形曲線の種類による分類
歯形 | 内容 |
インボリュート 歯形 | インボリュート曲線とは, 円筒に巻き付けた糸を 緩まないように引っ張り ながら解いていくときに, 糸の端が描く曲線です。 このインボリュート曲線の 一部を歯車の歯形としたもの がインボリュート歯形です。 糸を巻き付けた円筒を 基礎円と呼びます。 インボリュート歯形は, ・正確な歯形の製作と その測定が容易。 (歯車だけではなく, 歯切り工具の 製作も容易です。) ・互換性がある。 ・中心距離に多少の誤差が あっても正しい回転が 伝達できる。 などの特長を持っている ことから,最も一般的に 広く用いられています。 |
サイクロイド 歯形 | サイクロイド歯形とは, ある1つの円(基円)の 外側を転がる円の一点の 軌跡である外転サイクロイド (エピサイクロイド)と, 内側を転がる円の一点の 軌跡である内転サイクロイド (ハイポサイクロイド)の 2つの曲線の一部を 歯形としたものです。 サイクロイド歯形は, 歯面の摩耗が全面にわたって 一定になる為,計器や時計用 の歯車として用いられて いますが,製作が難しいため, 動力伝達用歯車としては、 ほとんど使われていません。 |
円弧系 歯形 | 単一円弧歯形, 複合円弧歯形などに 分類されます。 凸円弧と凹円弧との接触 であるため摩耗に対して 強い歯形ですが, やはり製作の容易さでは、 インボリュートの方が 有利であるため, 一般には使われていません。 |
歯車各部の用語
新旧歯車用語の比較
JIS B 0102:1999 | JIS B 0102:1993 確認 |
基準円 | 基準ピッチ内 |
基準円直径 | 基準ピッチ円直径 |
歯たけ | 全歯たけ |
歯厚 | 円弧歯厚 |
かみ合い歯たけ | 有効歯たけ |
標準基準ラック | 基準ラック |
(ラックの)データム線 | (ラックの)ピッチ線 |
かさ歯車の 相当円筒歯車 | かさ歯車の 相当平歯車 |
ピッチ角 | ピッチ円すい角 |
歯先角 | 歯先円すい角 |
歯底角 | 歯底円すい角 |
(かさ歯車の) まがり角 | (かさ歯車の) ねじれ角 |
(かさ歯車の) 組立距離 | (かさ歯車の) 位置決め距離 |
中心距離修正係数 | 中心距離増加係数 |
歯形各部の名称
引用:協育歯車工業株式会社(技術情報)
基準円直径 = モジュール × 歯数
= m × z
歯先円直径 = モジュール × (歯数 + 2)
= m × (z + 2)
歯底円直径 = モジュール × (歯数 – 2.5)
= m × (z – 2.5)
基礎円直径 = 基準円直径 × cos(圧力角)
= m × z × cosα
ちなみに、
基礎円直径とは、
インボリュート曲線を描くときの
円柱の直径のことです。
圧力角 歯車の歯の傾きです。 記号はαとなります。 標準は20° その他14.5°が ありますが 歯の強度が弱いため、 あまり使用されません。 | |
モジュール 歯の大きさで、 記号はmとなります。 基準ピッチを円周率で 除した値をいい、 モジュールの値が 大きいほど 歯の大きさは大きく なります。 メートル系の国で 使わていれます。 モジュール(m) = 基準円直径 / 歯数 = PCD[mm] / z | 第1系列 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.8 1 1.25 1.5 2 2.5 3 4 5 6 8 10 12 16 20 25 32 40 50 第2系列 0.15 0.25 0.35 0.45 0.55 0.7 0.75 0.9 1.75 2.25 2.75 3.54.5 5.5 7 9 11 14 18 22 28 36 45 36 45 第3系列 0.65 3.25 3.75 6.5 |
ダイヤメトラルピッチ(DP) (直径ピッチ) インチ制歯車の 歯の大きさを 表わすもので, 歯車(Z)を 基準円直径(PCD)[in] で除した数値です。 つまり直径1インチ 当たりの歯数をいい、 DPの値が小さいほど 歯の大きさは 大きくなります。 インチ系の国で 使われています。 直径ピッチ(DP) = モジュール × 1[in] = m × 25.4[mm] | |
サーキュラーピッチ(CP) (円周ピッチ) 互いに隣り合う2つの 歯の中心間の距離を ピッチ円の円弧 で測った長さです。 すなわちピッチ円の 円周を歯数で 除した数値です。 一般には あまり使われません。 円ピッチ(P) = モジュール(m) × π = m × 3.14 | |
回転比(速度伝達比) 噛み合う1対の歯車 においての 回転比(i)は 基準円直径(PCD)に 反比列します。 歯数(z)と 回転数(n)[rpm]とも 比列します。 基準円直径:d[mm] 歯数:Z 回転数:n[rpm] | |
軸間距離(中心距離) 軸間距離は噛合う歯車の 基準円半径を 合わせた距離です。 | |
バックラッシ 歯車をかみ合わせた時の “歯面間の遊び” または “すき間” のことです。 歯車がなめらかに騒音や 振動を起こさないように 回転させる為に バックラッシが 必要です。 | |
低歯 歯末のたけ < m スプライン締結 | |
並歯 歯末のたけ = m 最も一般的に 使用されているもの | |
高歯 歯末のたけ > m 航空機に使用 |
パソコン閲覧用資料(印刷用)
歯車製図
私が過去に受験勉強した資料で
不足たくさんあると思います。
そこはご容赦いただければと。
それと、クセ字もすみません。
クセが強すぎて一部の同僚には
「シマ字」と言われてました。
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2級:機構学・機械要素設計
・歯車関係
1級:機械総合基礎
・巻取り機の駆動部
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注意事項・お知らせ
著作権について
日本機械設計工業会様に著作権などの点で
ご相談させていただいた結果、
機械設計技術者試験の過去問題をベースに、
問題内の数値等を少し変えさせていただいた
類似のオリジナルな問題にしています。
過去問題そのままを掲載はしていません。
科目名称について
科目の名称は過去と現在とで多少違いが
ございますが、内容は概ね違いありません。
私のブログ内では過去の名称のままで
記載させていただくことをご了承ください。
まとめ
機械設計技術者試験は
とても難しい試験です。
試験合格のため以外にも、
日々の設計業務のためにも、
勉強することに意味ありです。
是非とも挑戦して欲しいです。
頑張ってくださいね!
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。